前回のパート①では、掃除編・洗濯編から5つのNG習慣をご紹介しました。今回のパート②では、キッチン・料理編と片付け編に潜む、意外な落とし穴を5つ厳選して解説します。
「これも自分がやっていた……」と思うものがあるかもしれません。今日から少しずつ正しい方法に変えて、家事をもっとラクに、家をもっと長持ちさせましょう。
キッチン・料理編:設備や道具を傷めているかも
6. 熱いフライパンをすぐに冷水で洗う
使い終わったばかりの熱々のフライパンに、ジュワッと冷水をかけていませんか。これはフライパンの寿命を縮めてしまう最大の原因です。
プロの正解
調理が終わったら、フライパンが手で触れるくらいまで冷めるのを待ってから洗いましょう。
テフロン(フッ素樹脂)コーティングが剥がれるサインと危険性
熱いまま水をかけると、急激な温度変化によって表面のフッ素樹脂加工がペリペリと剥がれてしまいます。
- 剥がれるサイン:調理中に食材(特に薄焼き卵や餃子)が特定の場所にこびりつくようになる、表面に細かいひび割れや白いポツポツが見られる
- 剥がれた場合の危険性:フッ素樹脂(PTFE)自体は、食品安全委員会の資料でも国際がん研究機関(IARC)により「グループ3:ヒトに対する発がん性について分類できない」と評価されており、直接的な毒性リスクは低いとされています。
しかし、コーティング下のアルミなどが露出すると、焦げ付きが激化しサビや雑菌繁殖につながります。味も落ちるため、サインが出たらフライパンの買い替えを検討しましょう
7. シンクに熱湯(パスタの湯切りなど)をそのまま流す
パスタや茹で野菜の湯切りの際、シンクに熱湯をそのまま流していませんか。一般的な排水設備で使われる塩化ビニル管(塩ビ管)はJIS規格で連続使用温度が60℃以下と定められており、耐熱性を高めた製品(HT)でも85℃程度が上限とされています。そこに100℃近い熱湯を直接流すと、配管が変形したり接合部が緩んだりするリスクがあります。
プロの正解
湯切りの際は、必ず蛇口から水道水を勢いよく流しながら熱湯を薄めて捨てましょう。
配管の接合部から水漏れするとどうなる?
JIS規格の上限を超える温度の熱湯を繰り返し流し続けると、配管が変形・破損し、シンク下で水漏れが起きる可能性があります。
シンク下収納が水浸しになりカビや悪臭が発生するだけでなく、賃貸マンションなどでは床下に水が染み込み、階下の天井から雨漏りを起こして数十万〜数百万円の損害賠償に発展するリスクもあります。配管は目に見えない場所だからこそ、規格を超える熱湯によるダメージは絶対に避けましょう。
きらきらサポートの視点:排水トラブルの多くは「蓄積」が原因
排水管のトラブルは、一度の熱湯だけで起こることは稀です。日々の熱湯投入や油汚れの蓄積が積み重なり、ある日突然「詰まり」や「水漏れ」として表面化するケースが大半です。だからこそ、日常の小さな習慣(水で薄めて流す)が、将来的な高額な修理費を防ぐ最も効果的な対策になります。
片付け編:効率を下げている習慣
8. とりあえず「100均の収納ケース」を買ってくる
「収納が足りないな」と感じたとき、まずは100円ショップやホームセンターへ足を運び、目に留まった収納ケースをいくつか購入してしまう——これは非常によくあるパターンです。かわいいデザインや便利そうなサイズを見つけると、つい「これで片付きそう!」とワクワクして手に取ってしまいますよね。
しかし実は、この順番こそが片付けをうまくいかせるための落とし穴になっているのです。入れるモノの量や種類、収納する場所のサイズが決まっていない状態でケースだけを先に買ってしまうと、家に帰ってから「思っていたよりモノが入らない」「棚の奥行きに対して少し大きすぎて閉まらない」といったミスマッチが起こりがちです。結果として、中身が中途半端に収まったケースがいくつも並び、以前よりもむしろゴチャついた印象になってしまうことも少なくありません。
プロの正解
大切なのは、順番を逆にしないことです。収納ケースを買いに行く前に、まずは「モノを整理する(捨てる・分ける)」作業を丁寧に済ませておきましょう。
具体的には、以下の3つのステップを順番に進めていただくのがおすすめです。
- 今あるモノをすべて一度出して見直す:使っていないもの、同じ用途で重複しているものを「残す」「手放す」に分ける
- 残ったモノの量を正確に把握する:数や大きさをざっくりでも数えておくと、必要なケースのサイズや個数がイメージしやすくなる
- 収納する場所のサイズを実際に測る:幅・奥行き・高さをメジャーで確認し、数値をメモしてから買い物に出かける
この順番を守るだけで、「せっかく買ったのに使いにくい」という失敗をぐっと減らすことができます。
整理は、実は「ちょっと楽しい頭の体操」でもあります
ここまで手順としてお伝えしてきましたが、実際にモノの整理やレイアウトを考える作業は、決して面倒なだけのものではありません。「このスペースにはどんな高さのケースが合うだろう」「よく使うものは手前に、あまり使わないものは奥に」というふうに、限られたスペースの中で最適な配置を考えるプロセスは、パズルを解くような感覚に近いものがあります。
うまく収まったときの「ピタッとはまった!」という感覚は、ちょっとした達成感を与えてくれるものです。家事や片付けを「やらなければならない作業」として捉えるだけでなく、「今日はどんな配置にしようかな」と少し楽しみながら向き合ってみると、気持ちの負担もぐっと軽くなるはずです。ぜひ次の収納見直しのタイミングでは、この「頭の体操」を楽しむ感覚も味わってみてください。
9. ロボット掃除機のために床のモノを「上に」乗せるだけ
ロボット掃除機を導入すると、床に何か物が置いてあるとうまく走れなかったり、コードに引っかかってしまったりすることがありますよね。そこで「掃除機が来る前にとりあえず片付けよう」と、床にあったバッグや小物を、テーブルやソファの上にひょいと避難させる——これは、ロボット掃除機をお使いの方なら一度は経験があるのではないでしょうか。
実はこれ、とても自然な流れではあるのですが、少し立ち止まって考えてみたいポイントでもあります。床から上に移すという行為自体は「片付け」のように見えますが、実際にはモノの場所を一時的に変えているだけで、根本的な整理にはつながっていません。ロボット掃除機が掃除を終えたあと、再びそのモノを元の床に戻してしまうと、結局また次の掃除のときに同じ作業を繰り返すことになってしまいます。
プロの正解
床の上のモノをその都度上に移動させるのではなく、そもそも「モノの定位置(住所)」を決めてあげることをおすすめします。「このバッグはいつも棚のここに置く」「この小物はカゴの中にしまう」というように、モノごとに戻る場所を決めておけば、床に一時的に物があふれること自体が少なくなっていきます。
モノの定位置を決めると、こんな嬉しい変化があります
すべてのモノに「住所」が決まると、日々の暮らしが少しずつ快適に変わっていきます。
- 探す時間が減っていく:「あのハサミどこだったかな」という、ちょっとしたモヤモヤが減っていく
- 片付けが自然と習慣になる:どこに片付けようか迷う手間が減り、使ったあとも無意識に元の場所へ戻せるようになっていく
- 無駄な買い物が防げる:ストックの量がひと目でわかるようになるため、「まだあったのに、また買ってしまった」という失敗も少なくなる
もちろん、すべてのモノに完璧な定位置を用意するのは簡単なことではありませんし、最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。少しずつ「よく使うものから場所を決めていく」というくらいの気持ちで取り組んでみると、無理なく続けやすくなりますよ。ロボット掃除機をきっかけに、モノの住所を見直してみるのも良いタイミングかもしれません。
10. 除菌のために何にでもアルコールを吹きかける
すっかり習慣化したアルコール(エタノール)除菌ですが、どこにでもスプレーするのはNGです。
プロの正解
アルコールを使用する前に、対象素材の取扱説明書を確認しましょう。使えない場所は薄めた台所用中性洗剤で拭くか、専用クリーナーを使ってください。
アルコールが「使えない」代表的な場所と素材の例
| 場所・アイテム | 使われている素材 | アルコールによるNG現象 |
|---|---|---|
| フローリング(床) | ワックス、木材 | ワックスが溶けて表面が白く濁る(白化現象) |
| パーテーション・収納ケース | アクリル樹脂、プラスチック | 樹脂が薬品に負けひび割れる(ケミカルクラック) |
| テレビ・PCの画面 | 液晶ディスプレイ(コーティング面) | 反射防止コーティングが剥がれシミになる |
| ソファ・財布・バッグ | 本革、合皮 | 油分が奪われ乾燥・色落ち・変色する |
まとめ:正しい知識で、もっとラクに、家を大切に
前回のパート①と今回のパート②を通じてご紹介した10個の習慣、いくつ当てはまりましたか。
もし「お風呂やキッチンの水垢掃除から解放されたい」「家をもっと根本からピカピカに守りたい」と感じたら、毎日の家事のやり方を見直すのはもちろん、「きらきらサポート」のコヤフロンコーティングのようなプロの技術を頼ってみるのも賢い選択です。
まずは今日、どれか一つだけでも試しやすいものから変えてみませんか。驚くほど家事がラクに、快適になりますよ。

